「在来工法とツーバイフォーって何が違うの?」
「そもそもどちらも何かよくわからない…」
木造住宅を検討している方の中には、どの工法を取り入れるか迷っている方もいるのではないでしょうか。木造住宅の代表的な工法には「在来工法」と「2×4(ツーバイフォー)工法」の2つがあります。
しかし、違いを知らない方も多くいます。それぞれのメリット・デメリットを理解していないと、のちに後悔することもあるため注意が必要です。
そこで今回は、在来工法とツーバイフォーの見分け方やそれぞれのメリット・デメリットを解説していきます。紹介する内容を参考にして、家づくりに役立ててください。
在来工法とは
在来工法とは、木造軸組み工法とも言われ、柱や梁などの部材で構成されている木造住宅のことです。コンクリート基礎の上に柱を立て、柱に梁を組み合わせて骨組みを作り、屋根や壁を張り付けていきます。
屋根を早い段階で取り付けるため、構造の内部や資材を雨や風から守れるのが特徴です。構造や資材が傷みにくく、日本の気候に合っています。
柱や梁は地震の横揺れに弱いですが、耐力壁の配置や筋交いで補強など工夫されているため、耐震性面も安心です。
ツーバイフォー工法とは
2×4(ツーバイフォー)工法は、枠組み工法とも言われ、四方の壁と天井、6枚の床の板で空間を作り、壁面を組み合わせて支えています。壁で建物を支えているため、室内が凹凸のない空間に仕上がるのが特徴です。
建物の下部から作っていく工法で、専門技術がなくても積み重ねるだけで作れることから、各地に広がりました。
上記で紹介した在来工法と比べると凹凸がない空間に仕上がります。建材を接着剤と金具で接合させるため、地震や台風などの外力によって変形する心配も少ないです。
在来工法とツーバイフォー工法の見分け方
在来工法とツーバイフォー工法が何かわかったところで、それぞれの見分け方を紹介します。見分け方のポイントとしては以下の2つが挙げられます。
- 建物の形状
- 軒の高さの違い
大きな違いは、建物の形状です。在来工法は骨組みで建物を支えており、2×4(ツーバイフォー)工法は壁で建物を支えています。
一般的に凹凸がなく、シンプルな形で箱を積み重ねたような見た目の建物は2×4(ツーバイフォー)工法であることが多いです。対して、自由度の高い見た目の建物は在来工法である可能性が高い傾向にあります。
そして、在来工法は2×4(ツーバイフォー)工法よりも、軒の高さが約50㎝程高いという違いがあります。在来工法と2×4(ツーバイフォー)工法の主な違いを表にまとめたので、ぜひ参考にしてください。
項目 | 在来工法 | 2×4(ツーバイフォー)工法 |
---|---|---|
建物の支えとなる建材 | 柱・梁・筋交い・耐力壁 | 4面の壁・床・天井 |
工期 | 長い | 短い |
間取りの自由度 | 高い | 低い |
接合部 | 継手・仕口・補助金物 | 釘・金物 |
開口部 | 数や種類が豊富 | 制約あり |
リフォーム | 大規模リノベーションや間取り変更可 | ・規格化されており、制限在り ・リノベーションは難しい |
施工会社 | 多い | 少ない |
専門的な知識や経験がないと、2つの工法の違いを見分けるのは困難です。また、住宅性能に関しては、建物によって違うため比較はできません。
見分け方や違いが分からないといった場合には、遠慮せず住宅会社に聞きましょう。
在来工法のメリット・デメリット
ここからは、在来工法のメリット・デメリットを解説します。在来工法とツーバイフォー工法のどちらがいいかを選ぶ際の参考にしてください。
在来工法のメリット
在来工法のメリットとしては、次の3つが挙げられます。
- 間取りの自由度が高い
- 開口部を大きく作れる
- 施工業者が多い
それぞれについては以下で詳しく解説していきます。
間取りの自由度が高い
在来工法は、外観のデザインや内装の間取りなどの自由度が高く、好みに合わせた設計を実現できることがメリットです。住まいをオリジナリティあるデザインにしたいという場合におすすめの工法といえます。
また、在来工法であれば、家族構成やライフスタイルの変化にともなって柔軟にリフォームすることも可能です。例えば、部屋を仕切っていた壁を取り除いて大空間にしたり、1つの部屋に壁をつくって部屋を増やしたりなど、間取りの変更ができます。
開口部を大きく作れる
開口部を大きく作れることも、在来工法のメリットです。開口部とは、「天窓」や「掃出し窓」、「出入り口」のことを指します。
ツーバイフォー工法では開口部に関する制限があり、大きな開口部を作ることは困難です。しかし、在来工法であれば、通気性の良い大きな開口部を作ることができます。
大きな開口部は外の景色を楽しめるだけでなく、セカンドリビングとして利用できるなど様々な使い道があります。
施工業者が多い
施工業者が多いことも、在来工法のメリットです。在来工法は、古くから日本で用いられてきた建築方法であり、多くの住宅会社が在来工法で住宅を建てています。
そのため、会社選びの選択肢が豊富にあります。どんなにデザインや価格帯、相性の良い会社があったとしても、建築方式に対応していなければ依頼することはできません。
在来工法であれば、対応している会社が多いため、会社選びに困ることもないでしょう。
在来工法のデメリット
ここからは、在来工法のデメリットを紹介します。デメリットとして挙げられるのは、次の2つです。
- 工期が長く費用が高い
- 品質にばらつきがある
それぞれについては以下で詳しく解説していきます。
工期が長く費用が高い
工期が長く費用が高いことが在来工法のデメリットです。在来工法は、間取りの自由度が高いがゆえに打ち合わせの時間が多くかかり、工期が長くなりやすい特徴があります。
そのため、ツーバイフォー工法よりも家づくりに長い期間がかかると思っておきましょう。また、在来工法はツーバイフォー工法と比べて、材料費の面でコストが高くなりがちです。
加えて、工期が長いことで人件費が多くかかり、全体的に費用が割高になります。そのため、予算オーバーにならないように注意が必要です。
品質にばらつきがある
品質にばらつきがあることも、在来工法のデメリットです。在来工法は、部材が規格化されているツーバイフォー工法と比べて、施工する大工の技術や経験値に大きく依存します。
そのため、会社によっては施工不良や要望通りのデザインにならない可能性があることに注意が必要です。在来工法は対応している会社が多いからこそ、しっかりと比較・検討した上で依頼する会社を決めることが重要です。
ツーバイフォー工法のメリット・デメリット
ここからは、ツーバイフォー工法のメリット・デメリットを解説します。在来工法とツーバイフォー工法のどちらがいいかを選ぶ際の参考にしてください。
ツーバイフォー工法のメリット
ツーバイフォー工法のメリットとしては、次の3つが挙げられます。
- 耐震性・耐風性が高い
- 気密性・断熱性・耐火性が高い
- 工期が短く品質が安定しやすい
それぞれについては以下で詳しく解説していきます。
耐震性・耐風性が高い
耐震性・耐風性が高いことは、ツーバイフォー工法のメリットのひとつです。ツーバイフォー工法では、面で構成することにより、建物全体の強度が高くなります。
それぞれの面が、在来工法における耐力壁の役割を果たすため、地震や台風などに対して高い耐久性を発揮することが可能です。異常気象や地震が増加傾向にある昨今において、耐震性・耐風性が高いことは魅力的なポイントです。
気密性・断熱性・耐火性が高い
気密性・断熱性・耐火性が高いことも、ツーバイフォー工法のメリットです。ツーバイフォー工法は、面をつなぎ合わせることで隙間が生まれにくくなるため、気密性が高まります。
また、気密性の向上に伴って断熱性を高めることもできます。気密性と断熱性を向上させることで、外気の影響を受けにくく、室内の熱を逃がしにくくできるため、快適な室内環境を実現することが可能です。
さらに、耐火性も上がることで、火災保険の費用が軽減されるケースもあります。
工期が短く品質が安定しやすい
工期が短く品質が安定しやすいことも、ツーバイフォー工法のメリットです。ツーバイフォー工法は、在来工法と違って部材が規格されており、住まいの完成度にばらつきが出にくいという特徴があります。
また、部材の規格化とシステム化によって現場での作業量が削減され、短い工期で家を建てることが可能です。工期が短ければ、それだけ人件費の削減につながるため、建築費用のカットも期待できます。
ツーバイフォー工法のデメリット
ツーバイフォー工法のデメリットとしては、次の2つが挙げられます。
- 間取りの自由度が低い
- リフォームが難しい
それぞれについては以下で詳しく解説していきます。
間取りの自由度が低い
ツーバイフォー工法のデメリットとしては、間取りの自由度が低いことが挙げられます。ツーバイフォー工法は規格化された部材で組み立てるため、在来工法と比べて間取りの自由度が下がります。
また、大きな開口部を作れないということにも注意が必要です。間取りに強いこだわりを持っている場合は、ツーバイフォー工法は適していないといえます。
リフォームが難しい
リフォームが難しいことも、ツーバイフォー工法のデメリットのひとつです。ツーバイフォー工法は柱ではなく壁で支えているため、壁を抜いて部屋をつなげるといったリフォームが難しくなります。
また、日本では対応していないリフォーム業者も存在します。そのため、在来工法と比べると選択肢が減ってしまうことがデメリットです。
在来工法とツーバイフォー工法を選ぶ際の4つのポイント
在来工法と2×4(ツーバイフォー)工法にはそれぞれ特徴があります。しかし、特徴やメリット、デメリットを知っても、どちらを採用したら良いか迷っている方も多いでしょう。
そこで、在来工法と2×4工法を選ぶ際のポイントを以下4つ紹介します。
選び方に迷っている方は、参考にしてみてください。
比較ポイント①リフォームの自由度
近年、将来リノベーションをするケースが増えています。子どもが巣立った後に趣味の部屋を作ったり、広い部屋に作り変えたいと考えている方は、在来工法がおすすめです。
2×4(ツーバイフォー)工法では、大規模工事に対応できないこともあります。2×4(ツーバイフォー)工法が気になっていて、将来リノベーションしようと考えている方は、依頼する住宅会社に聞いておくと良いでしょう。
比較ポイント②通気性
建物の内部に湿気がこもると、カビやダニが発生し、構造材が傷んでしまう原因です。そのため、風の通り抜けや調湿性を確保しておく必要があります。
一般的に、通気性は在来工法の方が優れています。
比較ポイント③デザイン性
デザイン性を優先させたい方は、在来工法がおすすめです。在来工法は柱や梁などの「線」の部材で建物を支えており、2×4(ツーバイフォー)工法は壁の「面」で建物を支えています。
2×4(ツーバイフォー)工法は、壁一面を窓にしたり、大きな窓を設けるような間取りは難しいです。リビングに吹き抜けを作ったり、大きな窓を設けて開放的な空間を作りたいなどの場合は、在来工法が向いています。
比較ポイント④耐火性
耐火性は、在来工法よりも2×4(ツーバイフォー)工法が優れています。
2×4(ツーバイフォー)工法は、各部屋が箱型になっているため、火の延焼を防げます。万が一火災が起こっても、全焼を防げるため安心です。
木造住宅を建てるなら株式会社クオリティホームがおすすめ
項目 | 詳細 |
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住所 | 鹿児島県霧島市隼人町真孝25番地 |
電話番号 | 0995-42-5867 |
公式サイト | https://qualityhome.co.jp/ |
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まとめ
この記事では在来工法と2×4(ツーバイフォー)工法の特徴やメリット・デメリット、見分け方などを紹介しました。木造住宅を建てようと考えている方は、在来工法か2×4(ツーバイフォー)工法のどちらを採用するのか事前に決めておくと、依頼する住宅会社を選びやすいです。
間取りやデザインの自由度やリフォームの有無など、住む方のライフスタイルや環境によって最適な工法は異なります。紹介した2つの工法について理解し、理想のマイホームに合う工法を取り入れましょう。
実際に住宅会社に足を運び、2つの工法で施工した住宅の施工事例やプランなどを見せてもらうのも良いです。
本記事があなたのお役に立てることを願っております。