高気密・高断熱な住まいは、省エネで快適に過ごせる高性能な住宅です。夏は涼しく、冬は暖かい、年中過ごしやすい空間が実現できます。
より快適に、省エネな暮らしをするなら、高断熱・高気密住宅の特性を理解したうえでエアコンを選ぶことが大切です。
また、取り付けるエアコンも重要ですが、設置してもらう業者も重要です。業者選びを間違えてしまうと、設置する際に隙間ができ、高気密・高断熱住宅の意味がなくなってしまう恐れがあります。
今回は、快適かつ省エネな住まいを実現するためのエアコンの選び方や取付方法などについて紹介していきます。これから家づくりに取り組む方はぜひ参考にしてください。
高気密・高断熱の住まいとは?
高気密・高断熱の住まいは、建物全体に断熱材を施し、高い断熱性と気密性が実現されています。室内と室外の熱の移動を減らし、できる限り隙間をなくした構造であるため、外の気温の影響を受けず、効率良く室内を快適な空間にできます。
住まいの断熱性能を表す基準には「省エネ基準」「ZEH」「HEAT20」の3つが主に挙げられます。この3つの中ではHEAT20がもっとも厳しい基準です。
また、高気密で1番大切なのは隙間が埋まっているかどうかです。気密は測定できるため、どれくらいの気密性になったのかを検査して確かめてみましょう。
高気密・高断熱におすすめのエアコン
高気密・高断熱住宅は気密性が高いため、湿度が高くなりやすいです。また、冬は室内の暖かさにより相対湿度が下がってしまうため、過乾燥になりやすいです。
健康や快適性を考えると、室内の湿度は40~60%が良いとされています。40%を下回ると、乾燥を感じたり、ウイルスの活動が活発になります。逆に60%を超えるとカビやダニが発生するリスクが高まります。
そのため、高気密・高断熱の家に住むためには、湿度をどう調整するのかがポイントです。除湿機能や再熱除湿機能などの調湿機能を重視して選ぶと良いでしょう。
再熱除湿とは、室内機の中で部屋の空気を冷やして除湿を行い、再度少し暖めて部屋に戻す機能のことです。弱冷房除湿機能は湿度を目標の値まで下げるために、微少な冷房運転を続けています。
この再熱除湿や弱冷房除湿機能などの調湿機能は、温度が大きく左右しないよう、除湿を行ってくれるため、湿度が高くなる梅雨時や秋の長雨の季節に最適です。
エアコンに調湿機能が付いていなかった時の対策
良いなと思ったものに調湿機能が付いていなかったり、調湿機能が付いているものが予算的に厳しかったりする場合は、無理に調湿機能が付いているものを選ぶ必要はありません。その場合の対策は以下3つあります。
- 加湿器を利用する
- 部屋干しする
- 壁に調湿機能を持たせる
加湿器は乾燥対策として一般的な方法です。加湿器を利用する際は、内部でカビが発生する恐れがあるため、定期的に分解し、隅々まで洗い、しっかりメンテナンスを行いましょう。
部屋干しは、カビの心配もなく、メンテナンスも不要で、1番簡単な乾燥対策です。室内の乾燥した空気が洗濯物から水分を奪うため、加湿機能が期待できます。
部屋干しを取り入れる際は、人目に付かないような場所にスペースを確保しておきましょう。部屋干しを自動で収納できるシステムもあるため、検討してみてください。
そして、断熱材の素材にもよりますが、室内の壁に調湿機能を持たせるのもおすすめです。断熱材の種類はたくさんありますが、古紙を主原料として、吸放湿性のあるセルロースファイバーが向いています。取り入れる際は、住宅会社に相談してみてください。
高気密・高断熱の住まいでエアコンを使用する3つのポイント
高気密・高断熱の住まいにエアコンを設置すると、夏は涼しく、冬は暖かく、暮らしやすい空間が実現します。適切にエアコンを設置して、快適に過ごすためのポイントを以下3つ紹介します。
以下で詳しく解説するため、ぜひ参考にしてください。
ポイント①エアコンの台数
高気密・高断熱な家ならエアコンは1台で十分と考える方も多いですが、家全体の冷暖房を1台のエアコンでまかなおうとするのは現実的ではありません。
室内の部屋がドアや壁で仕切られず、全部つながっているのであれば問題ありませんが、ドアや壁で仕切られている場合が多いです。1台でまかないたい場合は、暖房であれば1階、冷房であれば家の1番高い場所に付けなければいけません。
エアコン1台で快適に暮らす住まいの条件としては以下の2つが挙げられます。
- 空間が壁やドアで仕切られていない
- 家全体に送風設備が付けられている
大きな家だとエアコン1台で家全体に温度ムラが発生してしまうため、2台や3台設置して、熱源を分散させるのがおすすめです。
ポイント②エアコンの位置・高さ
暖かい空気は密度が低く、軽いため自然と上に上がっていきます。対して、冷たい空気は密度が高く、重いため自然と下がります。そのため、エアコンは天井付近に取り付けることが多いです。
壁に掛けるタイプのエアコンもありますが、このタイプはエアコンの高さより高い部分の空気を冷やすことはできません。また、3m以下の空気を暖めることも難しいです。
そのため、エアコンの温度を上げたり、下げたりする設備が別に必要です。空気を循環させるシーリングファンを取り付ける方法もありますが、エアコンの空気を送れるか計算して付けなければいけません。
設置する位置のポイントとしては以下の4つが挙げられます。
- エアコンの周りに通気スペースを確保する
- エアコンと室外機を近くに設置する
- エアコンの設置位置は短辺の壁に設置する
- 暖房の時に、エアコンの下に障害物を置かない
高気密・高断熱の住宅では、暖房は家の中で1番低い1階に、冷房は2階など1番高い場所に設置すると良いでしょう。
ポイント③電気代を節約する方法
高気密・高断熱住宅で、電気代を節約したい方は、つけっぱなしがおすすめです。エアコンは運転開始して、設定した温度になるまでに大きく電力を消費します。そのため、こまめにつけたり、消したりしたりするとエアコンが消費する電力が増えます。
逆にエアコンは設定した温度になると、送風運転になるため、消費電力はありません。つまり、一定の風量、温度で動かし続けた方が省エネになります。
エアコンをつけっぱなしにしておくことは高気密・高断熱の住まいだからこその使い方です。室内と室外の温度の差が小さい時は、こまめに消すと良いでしょう。
短時間の外出でどちらが省エネなのか分からない場合は、つけっぱなしがおすすめです。ZEH基準以上の高気密・高断熱の住まいで、12時間以上外出する際は、エアコンを消すことをおすすめします。
高気密・高断熱住宅のエアコンサイズの選定方法
エアコンにはたくさん種類があり、窓の位置や数、風通しや日差しなどでエアコンの性能は左右します。家や住まいの条件に合わせて、最も効率の良いサイズや性能を検討して選ぶことが大切です。
そこで、高気密・高断熱の住まいに最適なエアコンの選定方法を以下3つ紹介します。
以下でそれぞれ詳しく解説するため、ぜひ参考にしてください。
間取りに合わせて選ぶ
エアコンを選ぶ際に、畳数表示を参考にすることも多いです。しかし、畳数に合わせて選ぶ必要はありません。
エアコンに記載されている畳数は、1964年頃の断熱材がほとんど使われていない住まいに設置することを考えて作られた基準値です。近年建てられるようになった性能が高い住まいに、畳数通りのエアコンを付けるとオーバースペックとなります。
また、基本的に6畳用のエアコン1台で家中の室温をまかなえるため、畳数に合わせてエアコンを設置する必要はありません。
つまり、エアコンを選ぶ際に重要なのは、畳数ではなく、住宅性能や間取りなどを考慮し、適切な用量のエアコンを選ぶことです。各住まいによって最適な容量は異なるため、エアコンを購入する際は住宅会社に相談すると良いでしょう。
エアコンの性能
最近のエアコンにはさまざまな機能がありますが、自動掃除機能付きの機能が搭載されているものがおすすめです。掃除の手間を軽減できます。
自動掃除機能には、使用後にエアコン内部を乾燥させる「内部クリーン機能」、フィルターに付着したゴミや埃を取る「フィルターの自動掃除機能」の2種類あります。
意味が混ざりがちな機能ですが、この2つは別物で両方搭載されているものが好ましいです。しかし、どちらか選ばないといけない場合は、内部クリーン機能がおすすめです。
内部クリーン機能は、エアコンの使用後に送風や暖房運転を自動で行い、エアコンの内部と外部の温度差をなくして、カビやニオイの元となる結露の発生を防いでくれます。エアコンや室内環境を衛生的に、清潔に保つためにも必要な機能です。
また、エアコンを選ぶ際は、新しい機能や機能の充実さだけでなく、メンテナンスのしやすさも考慮して選びましょう。
省エネ性能
電気代をいかに節約できるかもエアコンを選ぶ際のポイントです。エアコンにはヒートポンプという仕組みがあり、この仕組みにより投入したエネルギー量よりも大きな熱量が得られます。
「供給した熱エネルギー」を「使用した電気エネルギー」で割った数値をCOP(成績係数)といい、これを通年型に置き換えたAPF(通年エネルギー消費効率)が省エネ性能として表されています。一般的なエアコンのAPF数値は5~6です。省エネ性能が高いエアコンが良いのであれば、APFの数値が大きいものを選びましょう。
高気密・高断熱の住まいにエアコンを取り付ける2つの方法
高気密・高断熱の住まいにエアコンを付ける方法は大きく分けて以下2つあります。
エアコン工事は大切な住まいの気密性を損なわないように行わなければいけません。信頼できる相手に工事をしてもらいましょう。
エアコン専門業者に依頼する
エアコンの専門業者は施工実績も豊富で技術力が高いです。また、エアコン専門業者は機種選定も含めて依頼できます。
エアコン専門業者に依頼する場合、引き渡し日までに工事を完了させることが難しいのがデメリットです。真冬や真夏に引越しをする場合は、引き渡し日から逆算して日程調整を行う必要があります。
ハウスメーカーに依頼する
高気密・高断熱の住まいにエアコンを取り付ける場合、建築に関する知識が必要不可欠です。なぜなら、高気密・高断熱の住まいは、建築中しかエアコンの配管を通すコンセントの設置ができないからです。
そのため、知識が豊富なハウスメーカーに依頼すると、安心してエアコン工事を任せられます。また、入居と同時にエアコンが使えるのもハウスメーカーに依頼するメリットです。
高気密・高断熱が叶うエアコンを取り入れるならクオリティホームがおすすめ
項目 | 詳細 |
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会社名 | 株式会社クオリティホーム |
住所 | 鹿児島県霧島市隼人町真孝25番地 |
電話番号 | 0995-42-5867 |
公式サイト | https://qualityhome.co.jp/ |
鹿児島県で高断熱・高気密の住まいを建てるなら株式会社クオリティホームがおすすめです。「居心地のいい家、自分らしい暮らし」をコンセプトに家づくりを手掛けています。
株式会社クオリティホームでは、高気密・高断熱にこだわっています。そして、エアコンの取り付けも建築と一緒に行ってくれます。建築段階で取り付けられるため、住み始めると同時にエアコンが使用可能です。
完成見学会や建築中の見学だけでなく、家づくり勉強会などのイベントも実施しています。気になる方は足を運んでみてください。
まとめ
今回は、高気密・高断熱の住まいに最適なエアコンの選び方について紹介しました。高気密・高断熱の住まいは、室内の温度を室外の温度の影響なく、快適に過ごせる環境に保ってくれます。
この機能を最大限に活かすためには、エアコン選びも大切です。本記事では、選び方以外にも電気代を抑えて使用する方法や、おすすめの取り付け方も紹介しています。高気密・高断熱の特徴を活かして、快適に過ごしましょう。
本記事があなたのお役に立てることを願っております。